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バスケを楽しむために

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■RICE療法

RICEとは
R:Rest(安静→患部を動かさない)
I:Ice(氷冷→氷で冷やす)
C:compression(圧迫→包帯やテープなどで圧迫)
E:Eelevation(高挙→心臓より高くする)の略です。

ケガの直後は損傷を受けた組織から内出血が起こり、これが腫れや痛みの原因になります。
内出血を最小限に抑えるために、患部を安静にして氷で冷やし、上から包帯などで患部を圧迫して心臓より高い位置に保持することが必要です。これがRICE療法です。
バスケットボールの際になんらかの怪我をした場合、まずおこなうべきはRICE療法と言えます。

患部を冷やすには氷が一番良く、タオルなどを巻いて10~15分ずつ繰り返し冷やします。
ケガをした日の入浴、マッサージ、飲酒は最悪で、翌日、腫れがさらにひどくなります。

■筋トレはなぜ必要か?

【体力とはなにか?】

今日のスポーツ科学では、「体力」についてふたつの側面を考えています。

まずひとつは「防衛体力」。
これは環境の変化などのストレスに体が耐えられる能力をいいます。寒い季節に風邪をひかない、夏バテしないといった、日常の健康に関わる体力です。
もうひとつは「行動体力」。
つまり、外界に向かって働きかける能力で、スポーツにおける競技力に直接関係あるのは、この行動体力であるといえますね。
さて、この「行動体力」については、様々な要素が考えられていますが、一般には次のような要素が挙げられます。

  

[柔軟性]

関節の可動性、つまり関節をどのくらい大きく動かせるか?という能力です。
これは関節の構築状態・筋肉・靱帯・脂肪・温度・怪我の後の癒着状態などと大きな関連があります。

  

[筋力]

抵抗に対して筋肉が収縮して出す力です。筋力は筋肉の横断面積と比例します。
つまり太い筋肉の持ち主の方が細い筋肉の持ち主よりも、筋力が強いということです。

  

[持久性]

疲れにくい能力、あるいは疲れてもすぐに回復する能力です。これは心臓や肺の機能に大きく依存します。

  

[筋持久力]

中位の筋力を長時間出し続けられる能力です。
毛細血管の発達の度合いと非常に関係が深く、筋力トレーニングで負荷を軽くし、筋緊張の時間を長くしていくことによって高めることができます。

  

[瞬発力]

瞬発力は物理学の公式で〔力(筋力)×スピード(筋収縮スピード)〕で表すことができます。
したがって瞬発力を上げるためには、力かスピードのいずれかを向上させればよいということになります。

  

[スピード]

ある場所から別の場所へ体を素早く移動させる能力です。これは、正しい運動動作・柔軟性・筋力などとも関連があります。

  

[敏捷性]

正確に素早く方向転換できる能力です。これには素早く神経の切り替えができることが大切です。  

[平衡性]

大きく、「スタティックバランス」~目を閉じて片足立ちをするような静止してバランスをとること~、
「ダイナミックバランス」~玉乗りのようになにか別の運動をしながら体のバランスをとること~、
「物体のバランス」~手の甲にボールをのせて落とさないようなバランス取りのこと~の三つの要素があります。
平衡性は、反射・視覚・内耳・骨格筋などの働きと大きな関連があります。
 

以上8つの要素を挙げましたが、スポーツをおこなうに当たって特に重要なのは、柔軟性(Suppleness)・筋力(Strength)・持久性(Stamina)の3つです。

【3つの”S”】
 

スポーツをおこなう際に重要な3つの”S”。具体的にはどのような影響を与えるのでしょうか?
 

[柔軟性]

スポーツにおけるケガの多くは、捻挫や靱帯損傷など、関節部分のケガです。
これらのケガは、関節の能力を超えた範囲に曲げられてしまった場合など、過度の負担か関節にかけられるときによく起こります。
したがって、柔軟性、つまり関節が大きく動かせるように鍛えておけば、関節部分がケガに強くなると言えます。
また、競技力を高める上でも大きな効果があります。
関節が柔らかくなるということは、筋肉がより長く引き伸ばすことができるということです。
筋肉がより引き伸ばされた状態から収縮した方が、動きがよりパワフルになります。
輪ゴムを飛ばすとき、ゴムをより長く伸ばした方が遠くまで飛びますが、これと同じ原理です。
それから加速させる運動過程を長くすることが出きるようになります。
野球の投球を例に取ると、バックスイングを大きく取れば取るほど、つまり上体を後ろに大きく反らせば反らすほど、ボールに力を与える時間が長くなり、
それだけ速いボールが投げられるのです。
さらに、柔軟性が向上すれば、関節の動きに余裕ができるので、動作を無理なく行えるようになり、それだけ動作の覚えも早くなり、
疲労の度合いも少なくなるという利点があります。
ただし、あまりにも柔軟性に富んでいると、逆にケガを引き起こしやすくなります。
女性によく見られますが、膝や肘を伸ばすと本来曲がるべき方向と反対方向にまで曲がる人がいます。
このような場合、脱臼の危険性が高くなります。また関節が支えるべき重量を支えられなくなってしまい、却って運動に支障をきたしてしまいます。
電気スタンドのネジをゆるめたままにしておくと、照明部分を支えられなくなりますが、これと同じ状態になってしまうのです。
 

[筋力]

まず外傷の予防が挙げられます。
この場合は関節の持つ予防効果とは違い、たとえば骨折のように、骨に対して外部から強い力が加わった場合に、
筋肉がクッションの役割を果たして骨折を防ぐといった場合の効果です。
ただ、これも程度の問題で、あまりにヘビーな筋力トレーニングは却ってケガを招きやすくなるようです。
とはいっても、筋力はどんなスポーツに於いても重要な要素です。先にも述べたように、瞬発力は〔筋力×スピード〕の公式で表されます。
筋力を鍛えれば、瞬発力がつくのです。
 

[持久力]

持久力とは、なかなか疲れない能力です。ということは、これに優れていると練習時間を長くとることができます。
練習やトレーニングの量が多ければ、それだけ競技力も伸びやすくなるのです。つまり持久力のある人は上手くなる、といえます。
ただ、勘違いしてはいけないのですが、持久力もないのに、過度の練習を積むことは逆効果です。
疲労した状態で運動を続けることは、オーバートレーニングの危険性がありますし、正確な動作を一貫して続けることができないので、
競技力の向上にいい影響をもたらすとは考えにくいです。

【傷害と故障】
 

競技者レベルだけではなく、私たちのように、趣味としてスポーツを楽しむ人たちにとっても、競技を続けていく上で、もっとも恐ろしいのがケガです。
まず大事なのは「無理な練習やトレーニングはしない」ということです。
一番ケガを起こしやすい状態というのは、筋肉の伸縮力がなくなっているときです。つまり充分なアップやストレッチがおこなわれていないときか、
筋肉が疲れてしまっているときのいずれかです。
したがって、適度に筋肉がほぐれている状態以外の時に、激しい運動はおこなうべきではありません。
しかし、スポーツをやっているからには上手になりたいと思いますよね?そのためには練習が必要です。
ひとつの技術・フォームを身につけるためには動作の反復練習が必要です。
必要な動作が無意識のうちに繰り出されるように、何万回・何十万回といった繰り返しを必要とします。
このようにケガをせずに上手になるというのは、矛盾しているとも言えます。これを解決するためにはどうすればいいのか?答えはひとつ。
ケガに強い体を作ることです。ケガに強い体は、先に挙げた3つの”S”を鍛えることで作り出すことができます。
これが、タイトルにも挙げた「筋トレの必要性」なのです。

■体力トレーニングの原則

【普段よりも強い運動をおこなうこと~過負荷】
 

体力強化のためには、普段常用している範囲の運動よりも、強い運動をおこなう必要があります。
このような運動を『過負荷』もしくは『オーバーロード』と呼びます。
  1950年に、西ドイツのT・ヘッティンガーと、E・A・ミューラーのおこなった実験では、次のような結果が得られました。
   

・最大筋力の20%以下を使うトレーニングでは、筋力は次第に低下していく。
  

・最大筋力の20~30%を使うトレーニングでは、筋力は変化しない。
  

・最大筋力の40~50%を使うトレーニングでは、もっとも効果的に筋力が増強する。
 

この結果から言えることは、最大筋力(全力)でトレーニングをおこなう必要はないということ、普段使っている筋力は全力の20~30%であるということです。
わかりやすくいえば、普段よりちょっと負荷を与えれば効果的なトレーニングになるということなのです。これが『過負荷』です。
 では、スポーツに必要な3つの”S”についてはどのように活かせばいいのでしょうか?
 筋力強化のトレーニングでは、普段よりちょっと力が必要になるトレーニングが、もっとも効果的だということになります。
柔軟性の場合、、柔軟性を養う運動、つまり柔軟体操やストレッチをおこなうこと自体が、関節に対する『過負荷』になります。
たとえば、ひざの裏側の筋肉を伸ばすために、床に腰を下ろして両脚をまっすぐ伸ばしたまま、上体を深く前掲させる運動をします。
こんな姿勢は、日常生活の中にあるでしょうか?特別にこのような運動をしない限り、このような運動は日常生活には存在しません。
つまりストレッチなどをおこなうこと自体が、柔軟性を鍛えるトレーニングになるのです。
では、持久力についてはどうでしょう?必要なのは、心拍数を日常生活の中で得ているよりも高く上昇させた状態を、長時間保つようにすればいいのです。
ある人の日常で、もっとも高い心拍数が105だとすれば、少なくとも心拍数が106回以上の運動が『過負荷』になります。
これを長時間実施することが持久力の養成になります。もっとも、実際には心拍数には個人差もありますので、目安となる数値が必要になります。
具体的には、最大心拍数の70~85%に高めた状態を最低12分間保つトレーニングがもっとも効果的です。
最大心拍数は〔220-年齢〕で出します。
25歳の人であれば、(220-25)×0.7=136.5、(220-25)×0.85=165.75、つまり心拍数137~165回を12分間保つ運動が効果的だということになります。

【徐々に強度や量を増やしていく~漸進的過負荷】
 

トレーニングは、長期的な計画に基づいておこなうべきです。マラソンの経験のない人が、来週までに42.195キロを走りきるようになれるでしょうか?
ちょっと無理だなと思いますよね?では1年間トレーニングした上でならどうでしょうか?できそうな気がしますよね?トレーニングも同じことです。 

代表的な筋力トレーニングに、ウェイトトレーニングがあります。ダンベルなどの抵抗負荷を利用した各種の器具を用いてトレーニングをおこないます。
基本的なトレーニング法は、次の通りです。
まず、最低でも15回もやれば限界だ、という程度の抵抗負荷がかかるトレーニングでないと、筋力は効果的に発達しません。
たとえば、正確なフォームで10回持ち上げられるダンベルで、15回繰り返すことができるようになったら、今度はダンベルの重量を上げて、
10回持ち上げられるダンベルで、再び15回繰り返すことができるようにトレーニングをします。
この繰り返しで徐々に負荷を上げていきます。同じ重量で、ひたすら回数を増やしていくだけではあまり大きな効果は期待できないようです。
このように徐々に筋力がアップしていくことを『漸進性』といい、トレーニングの成果(漸進性)に合わせて、負荷を変えていくトレーニング法が原則となります。
これを『漸進的過負荷』の原則といいます。
 

柔軟性を養うトレーニングの場合、柔軟運動そのものが『漸進的過負荷』の原則を活用しています。
毎回おこなう柔軟体操自体が『過負荷』であり、柔軟性が向上していけばそれなりにより大きく関節を伸縮していけるからです。
 

持久力の場合は、ジョギングを例に説明してみましょう。
最初は軽く走っては歩くというふたつの運動を組み合わせて、これらを交互におこなって合計の走歩距離を800~1000mくらいのトレーニングから始めます。
そのうちトレーニングに慣れてきたら、走歩する全距離を延長していき、やがて目標とする走距離(たとえば5km)まで達します。
それ以降は、体力の向上に合わせて、歩く距離を短くしていけば、やがて5kmを走りきることができるようになります。
更に強度を上げるためには、走るスピードを上げるか、更に距離を伸ばすことです。
もちろん無理ないレベルでトレーニングを続けることが肝心です。限界まで走ってしまっては『過負荷』の原則に反しますし、ケガのもとです。

【気長におこなう~継続性】
 

トレーニング効果は、あるレベルまでは、トレーニングに没頭する年数に比例します。
体がトレーニングに適応して行くには、長い期間が必要になります。短期間で効果を上げようとすると、いきおいトレーニングの内容がきつくなってしまいます。
これは体調悪化や故障の原因となります。
 

様々なダイエット法がありますが、同様にリバウンドも問題となっています。
これはよくよく考えれば当たり前のことで、ダイエット前の体型がその人にとって日常なのですから、急激に体重を落とすことは、
激しい筋トレによる筋肉痛の状態と変わりありません。
理想の体型を目指すのであれば、継続する、つまり理想の体型が日常となるようにしなくてはならないのです。

【運動はそれ固有の効果しかない~特異性】
 

「この運動は体力強化に非常にすぐれた効果がある」という表現をする人がいますが、厳密にいうとそれは間違いであるといえます。
体力には様々な要素が含まれます。
たとえば、アイソメトリックス(静的筋力トレーニング)というトレーニング法がありますが、
このトレーニングは関節の角度を一定に固定したまま短時間だけ力むトレーニングです。
したがって持久力や柔軟性を養う効果はほとんど期待できません。また『漸進的過負荷』の項でお話ししたダンベルトレーニングを例にしますと、
「筋力養成には少なくとも15回以下の繰り返ししかできない強い抵抗負荷を欠けたトレーニングが必要」なのですが、
「15回以上繰り返して持ち上げられる弱い抵抗負荷によるトレーニングは、筋持久力を養うのに効果的」となります。
 バスケットボールに限らず、スポーツには様々な要素の体力が必要になります。
したがって、ひとつのトレーニングだけではなく、複合的なトレーニングが必要になります

【理論と方法を熟知する~意識性】
 

「腕立て伏せが30回できるようになったので次は40回を目指す」、これは体力のどの要素を養うためのトレーニングなのでしょうか?
ここまで読んでくれた方はおわかりだと思いますが、これは筋持久力を養うためのトレーニングです。筋力強化のトレーニングではありません。
「腕を太くしよう」と思って腕立て伏せを100回、200回と繰り返すのは、
「15回しか持ち上げられないダンベルを持ち上げる」トレーニングほどの効果を得られることはありません。
 バスケットボールでは、ジャンプ力も大事です。ではジャンプ力を鍛えるために、スクワットジャンプによって筋力強化をはかるとします。
この場合、15回しかできなかった人にとって、「筋力」をつける効果はありますが、30回できる人にとっては効果は期待できません。
この場合、回数を増やしていくのは「筋力強化」ではなく「筋持久力の強化」、つまり「高く飛べるようになる」というよりは
「何度もジャンプできるような持久力がつく」という効果が期待されるのです。
「高く飛べるように」という効果を期待するためには、スクワットジャンプの際に、
手になにかおもりを持つなどして15回以上できないだけの負荷をかける必要があるのです。
このように、何を目標としてどんなトレーニングをおこなうのか?ということを理解した上で鍛えていくことが大事です。

【体力全般と技術を養う~全面性】
 

スポーツの競技力とは〔技術×体力〕です。上手になるためには専門スポーツの技術だけではなく、体力全般を養わなくてはなりません。
これを『全面性』の原則といいます。
バスケットボールの場合、技術はドリブルやシュート力、フェイクなどがあります。
これに必要な体力の要素というと、捻挫などを予防するための柔軟性、より高いジャンプ・より速いダッシュに必要な筋力、
素早いシュートや速攻のためのスピード、筋力トスピーとの比例で示される瞬発力、一試合をのりきるための心肺機能(持久力)、
一試合を通じてジャンプやダッシュを繰り返すことのできる筋持久力、素早いフェイクには敏捷性、安定したシュートフォームを維持するための平衡性など、
様々な要素がもとめられることになります。自分にとって、何が必要か?を理解し、それにあったトレーニングをおこなうこと、これが一番大事なことなのです。
そしてもちろん、ルールを知っていることも『全面性』の原則のひとつになります。
ルールを熟知していれば、競技を最高の状態でおこなうことができますし、自分にとって何が必要なのか?を理解することにもなります。
バスケットボールを上手になるためにルールを知るということは欠かせないのです。

【繰り返しおこなうこと~反復性】
 

トレーニング効果は1回や2回で上げられることはありません。少なくとも数週間以上続けて、始めて目に見える効果を上げることができます。
また、ドリブルなどの技術の上達のためにも反復練習することが大切です。これを『反復性』の原則といいます。
 ただし、反復練習は必要ですが、その際に正しい動きを身につけようとしないと、せっかくの努力も全くのムダになってしまいます。
ドリブルの技を頑張ってマスターしたとして、実はダブルドリブルになってしまう扱い方であった場合、間違った反復練習で、間違った動きが身に付いてしまい、
ドリブルをつくたびに笛が鳴ってしまう、なんてことになってしまいかねません。
入らないシュートフォームでいくら練習しても、入らないままです。
つまり、ひとつの動きをマスターするためには、はじめから正しいフォームやタイミングを身につける努力が必要といえます。
 きのマスターには「全習法」と「分習法」のふたつの方法があります。
シュート練習を例に取ると、全習法は実際にシュートを打ち続けることによって体得する方法で、分習法はそれぞれの部分、
つまりシュートの際にはひじをゴールに向ける点を集中的に練習し、つづいて下半身のバネをボールにスムーズに伝える練習をするといった方法です。
いずれにしても正しいフォームで繰り返すことが大事です。
 ところでシュート練習は「疲れたときにやるのが効果的」という専門家もいます。
実はこれは難しいところです。疲れてくることによって、無駄な力がなくなり、本人にとって理想のフォームになるとも言えますし、
疲れによって正しいフォームが維持できなくなり、いたずらに悪い癖がついてしまう可能性もあるのです。
どちらが正しいのかは一概に言い切れないのですが、ともかくあまりにも疲れて確率が下がってくるなど能率が上がらなくなってきたら、
練習を切り上げるのが賢明ではないでしょうか。

【自分にあったトレーニングをする~個別性】
 

体力や運動能力には個人差があります。したがってトレーニングで高い効果を狙うためには、自分自身の体を良く知る必要があります。
 よくチーム練習で、かけ声に合わせて一緒にストレッチをしていることもありますが、筋肉や関節の柔軟性は個人差があるので、一概に良い方法とは言えないでしょう。
もちろん、こういった練習法によってチームの協調性を強化するという意味合いもありますので、全面的に否定するわけではありませんが、
ケガの危険性を避けたり、個々の充分なアップのために、これとは別に個別にストレッチをおこなった方がいいかも知れません。
もちろん、ストレッチ以外のトレーニングについても同様のことが言えます。

【トレーニングをやめるともとに戻る~可逆性】
 

人間の体には適応性という特質があります。この性質を利用するのがトレーニングなのですが、当然、トレーニングをやめると元に戻ってしまう性質でもあります。
 T・A・ヘッティンガーとE・A・ミューラーがおこなった実験に次のようなものがあります。
 

〈グループA〉毎日トレーニングをする

〈グループB〉はじめは毎日トレーニングをし、途中から週一回に切り替える

〈グループC〉週1回のトレーニングをする
 

この3グループのトレーニング効果を調べたところ、次のような結果が得られました。
 

〈グループA〉筋力向上は急速だがトレーニングをやめたときの筋力の低下も急速

〈グループB〉週1回に切り替えてからは筋力向上の速度は落ちるがトレーニングをやめたときの低下はAより遅い

〈グループC〉筋力の伸びは緩慢だがトレーニングをやめたときの低下も緩慢である
 

継続性の項でも書いたように、どんなに頑張ってトレーニングしても、やめてしまえば元に戻ってしまうわけですから、継続する、
つまりトレーニングしている状態が日常になるようにすることが、トレーニングの効果を持続させることになるのです。

【効果は休養しているときに得られる~超回復】
 

運動をおこなうと当然疲れます。疲れるから休むわけですが、この場合、適量の休憩をとったときには、予備のエネルギーを蓄えて、
運動前よりも若干体力的に高まった状態に回復します。これを『超回復』といいます。
この超回復の状態の時に、再びトレーニングを繰り返すと、効果的に体力を向上させることができます。
 ところがトレーニングの後、休息を長くとってしまい、超回復の時を過ぎてからトレーニングを再開すると、体力は向上していきません。
逆に休憩時間が短く、回復前にトレーニングを再開すると、やればやるほど体力が低下していってしまいます。
つまり、効果的なトレーニングのためには、この『超回復』のタイミングをうまくとらえて次回のトレーニングをする必要があります。
この超回復の利用にはふたつの方法があります。
ひとつは、1回のトレーニングで起こった超回復を利用しながら、次々とトレーニングをおこなっていく方法で、
もうひとつは数日間にわたって連続してトレーニングをおこなった後に休息をとり、超回復を起こさせる方法です。
前者は一般の体力作りのトレーニングでよく採る方法で、後者は合宿などで用いる方法です。

【積極的な思考】
 

最後に、トレーニングにおける心構えを記します。
俗に「火事場の力」という言葉に代表されるように、普段全力だと思っている力が、実はそうではないということがよくあります。
催眠術を施された被験者は、心理的抑制から解放され、筋力が高まることが古くから知られています。
アーサー・スタインハウスと猪飼道夫はこの現象を数量的にとらえた実験をおこない、催眠術をかけると最大筋力が約30%向上することを見いだしました。
この結果をもとに、猪飼は
「トレーニングとは、筋力を太く発達させて生理的限界をより高めていくこと」
「トレーニングとは、心理的限界をより生理的限界に近づけていくこと」
という見解を導き出しました。単純に考えると、「もうダメだ」と思っても、あと30%の力は残っているということです。
この残り30%を引き出すためには、心理的抑制を取り除くことができれば良いともいえます。
つまり、心の持ちようによっては同じ筋力でも、より強い力を発揮することができるのです。
これはみなさんも経験していると思います。
つまり、練習の時よりも試合の時の方ががんばれるということです。
同じように動いているつもりでも、練習後には筋肉痛にならないのに、試合のあとは筋肉痛になっていたりする。
これは心理的抑制が取れ、より生理的限界に近い運動をおこなった結果なのです。
また箱根駅伝のように、たすきに込められるチームメイトの心情や、周囲の期待やプレッシャーが、選手に思わぬ好記録を出させることもよくありますし、
1人でタイム測定するよりも、複数で競争して測定した方がよい記録がでる場合もあります。
このように、競技場面での心理作用は無視できないものがあります。
だとするなら、普段からのトレーニングや練習の場においても「うまくいかないかも知れない」といった消極的な考えは持つべきではないといえます。
常に「成功してみせる」という積極的な考え方を持つことが、トレーニングをより効果的なものにするといえるでしょう。

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